松谷みよ子さんのこと
2015 03 10
これまでの人生に大きな影響を与えてくれた文学の先輩たちが、ひとりふたり
とこの世から去っていく。心から尊敬できる大先輩はそうはいないが、松谷み
よ子さんはそのひとりだ。
いまから40年も前に、松谷さんの元夫である瀬川坼男さんが主宰する民話と文
学の会に入り、各地の民話採訪に歩いた。そのころ松谷さんは日本民話の会をつ
くり活動を始めた。瀬川さんは早くに亡くなったが、松谷さんとは日本児童文学
者協会の理事としてよくお会いするようになった。
あるときの理事会、そのとき私は大きな仕事をまかされて、とても疲れていた。
休憩時間にテーブルに突っ伏して休んでいたら、後ろからぐいと体を起こされ、
だれかが背中から肩をもみだした。驚いて振り向いたら、松谷さんだった。
「あなた、よくがんばっているから」といいながら、肩もみをつづけている。
すっかり恐縮して手を振ると、「いいから、わたしうまいのよ」そういってくれ
た。
とても力強い手だった。私の仕事をちゃんとみてくれている、それが嬉しかった。
その後はだんだんと表舞台に登場しなくなり、お見かけすることもなくなったが、
いまでもあの手の温かさは、ときどき思い出す。
大きな人をなくした。 合掌
とこの世から去っていく。心から尊敬できる大先輩はそうはいないが、松谷み
よ子さんはそのひとりだ。
いまから40年も前に、松谷さんの元夫である瀬川坼男さんが主宰する民話と文
学の会に入り、各地の民話採訪に歩いた。そのころ松谷さんは日本民話の会をつ
くり活動を始めた。瀬川さんは早くに亡くなったが、松谷さんとは日本児童文学
者協会の理事としてよくお会いするようになった。
あるときの理事会、そのとき私は大きな仕事をまかされて、とても疲れていた。
休憩時間にテーブルに突っ伏して休んでいたら、後ろからぐいと体を起こされ、
だれかが背中から肩をもみだした。驚いて振り向いたら、松谷さんだった。
「あなた、よくがんばっているから」といいながら、肩もみをつづけている。
すっかり恐縮して手を振ると、「いいから、わたしうまいのよ」そういってくれ
た。
とても力強い手だった。私の仕事をちゃんとみてくれている、それが嬉しかった。
その後はだんだんと表舞台に登場しなくなり、お見かけすることもなくなったが、
いまでもあの手の温かさは、ときどき思い出す。
大きな人をなくした。 合掌
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私の出会いは「龍の子太郎」でした.(私はもちろん子供でしたよ)隣の腕白坊主もこのお話が大好きで 私がいるかどうかこっそりと部屋の戸を開け確かめると 私の横に座ってお話に聞きいっていました。何もかもが懐かしいです。そして寂しいことですね。
本木さんもお体を大切に、ご活躍くださいね。今年もどうぞ、こちらへ出向いてくださいね。